腰痛について

腰痛

腰痛は中高齢の方を中心として非常によく見られます。私たちは二本足で歩行するため、上半身を支える負担が腰に集中しやすく、痛みも生じやすいのです。実際、全人口の2~3人に1人は、生涯のうちに一度は腰痛に悩まされると言われています。一過性の痛みで治まるケースもありますが、急性腰痛を繰り返したり、慢性的な腰痛に悩まれておられる患者さまも沢山いらっしゃいます。当クリニックでは、個々の患者さまにとって最も適切な治療やリハビリテーションを行っているので、お気軽にご相談ください。

腰痛の主な原因

腰椎椎間板ヘルニア 腰部脊柱管狭窄症 腰椎分離症・腰椎分離すべり症 など

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎と腰椎の間にあるクッション役をしている椎間板の一部が突出してくる疾患です。神経組織を圧迫するため、痛みを伴います。年齢とともに椎間板が変性しやすくなり、中高齢の方によく起こります。症状としては、腰が強く痛み、臀部から下肢にしびれや痛みが放散したり、足に力が入りにくくなったりします。

椎間板ヘルニアによる痛みが強い時期には、安静にしてコルセットを装着します。さらに、消炎鎮痛剤や神経障害性疼痛薬の使用や神経ブロックを行い、痛みをやわらげます。痛みが軽くなったら、運動療法を取り入れることもあります。それでも改善しない場合は手術を検討します。

腰部脊柱管狭窄症

脊柱管は背骨、椎間板や靭帯に囲まれた筒状の空間であり、この中を脊髄神経が通っています。年をとると背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、靭帯が肥厚して神経の通る脊柱管が狭くなり、神経の血流が低下して脊柱管狭窄症となります。このうち腰部に発生するものが腰部脊柱管狭窄症です。一般的には腰の痛みがそれほど強くなく、安静時にはほとんど無症状です。しかし、背筋を伸ばして立ったり歩いたりすると、太ももや膝から下にかけて、しびれや痛みが生じ、歩きづらくなります。

治療としては、運動療法、ストレッチング、腹筋強化訓練、装具療法、神経ブロック、脊髄神経の血行を改善するための薬物療法などがあります。歩行障害が進行し、日常生活に支障が出てくるようなら、手術を行うこともあります。

腰椎分離症・腰椎分離すべり症

腰椎の関節を構成している付近の骨に微小骨折が生じた状態のことを腰椎分離症と呼んでいます。スポーツ活動で負荷の繰り返しによる腰椎の疲労骨折が主な原因と考えられています。症状としては、腰を後ろへ反らせた時の腰の痛みなどがあります。学童期や思春期のスポーツ選手に多く見られますので、学校などで運動する機会の多い方は注意しましょう。
腰椎分離症の10%から20%は椎体の前方すべりが発生して腰椎分離すべり症へ移行します。
治療はスポーツを一時中止し、コルセットを3~6カ月装着します。骨癒合が画像検査で確認できたら徐々にコルセットを外し、運動療法を行い、腹筋や背筋の強化を進めながらスポーツ復帰を目指します。

頸部痛について

頸部の骨は、頭が上下左右に動いたり、回旋したりするための複雑な動きを制御しています。頭部の重量は5kg前後で角度によってさらに増え、大きな負担が常にかかっているため、頸部痛も頻繁に起こります。さらに、加齢によって首の筋肉が弱ってきたり、運動不足から首をあまり動かさないでいると、首の筋を違えたり、筋肉痛を起こしたりします。

頸部痛の主な原因

頸椎捻挫 頸椎椎間板ヘルニア 頚椎症性神経根症 など

頸椎捻挫

頸椎捻挫は、自動車の急停止や追突・衝突事故などによって起こります。スポーツ競技を行っているときも、不自然な力が加わって首が反り返ってしまい、首の周辺を損傷して頸椎捻挫となります。事故直後には症状らしきものが見られなくても、実際には何らかの損傷を受けているケースが少なくありません。また、症状が慢性化する恐れもありますので、一度は整形外科を受診されるよう、お勧めいたします。

頸椎椎間板ヘルニア

人間の背骨は26個の骨が積み木のように重なって構成されていますが、このうち頸椎と頸椎の間にあるクッション役をしている椎間板に起こるヘルニアです。一部の椎間板が本来の位置から飛び出して神経を圧迫することにより、頸部だけでなく、腕、手、指などにも激しい痛みやしびれをもたらすことがあります。

頸椎症性神経根症

頸椎が加齢に伴って変形することにより、脊髄から分かれた神経根が圧迫されてしまう疾患です。神経根が刺激されるので、痛みも見られるようになります。中高年者に多く、肩から腕にかけての痛みが生じます。痛みは軽いものから耐えがたいものまで、その程度は様々です。一般に頸椎を後ろへ反らすと痛みが強まりますので、上方を見たり、うがいをしたりの動作が行いづらくなります。